自然「感」察

2024年11月26日に「吹田キャンパスの秋を感じよう ~盲ろう者の方々とのネイチュア・フィーリング交流会~」を開催しました。ネイチュア・フィーリングとは、目の不自由な子どもたちの理科教育を一端として誕生した、五感を使って自然を感じるという自然観察会のことです。キャッチフレーズは、いつでも・どこでも・誰とでも - からだの不自由な方のために(for)ではなく、共に(with)というコンセプトを大切にしています。また多様な人々がそれぞれの感じ方を共有することで、より豊かな自然体験が可能となり、自然と人、人と人とのつながりを深める場となることが期待されています。

今回は、大阪市天王寺区にて盲ろう者の方々の支援に取り組まれているNPO法人ヘレンケラー自立支援センターすまいるのみなさんを大学にお招きし、学生、学外参加者などを交え、約50名で実施しました。お天気はあいにくの雨となってしまいましたが、室内で植物の葉や実の手触りなどを「感」察したり、チーム対抗でどんぐりの重さを当てるゲームをしたりして、楽しいひとときを過ごしました。

開催にあたり、日本自然保護協会・自然観察指導員大阪連絡会の方々には多くのご助言をいただきました。また本イベントは、OUマスタープラン実現加速事業、未来共創センター・IMPACTオープンプロジェクトより支援をいただきました。ご協力くださった全ての皆様に、深く感謝申し上げます。

佐伯いく代・中井好男・モハーチゲルゲイ

参加者でいっぱいになった会場。雨のため室内開催となりましたが、手話通訳や
介助の方がたのサポートのおかげでスムーズに進めることができました。
まず、キャンパスでよくみられるクスノキやイチョウの葉っぱを「感」察します。手触りはどんな感じかな? 
葉や実は、人間科学部のコミュニティー・ガーデン(中庭)とその周辺で
採集したものです。こうした身近な自然でも、知らなかったことが
たくさんあったという声をいただきました。
学生達にとっても多くの学びがありましたね。
クライマックスとなった、どんぐりの重さをはかるゲーム。
盛り上がりました。
すまいるのみなさん、よろしければ、またぜひいらしてください!

参加学生からの感想・メッセージ

いちょうの葉っぱなど、普段から目にしているものでも、こんなに形に集中したことはなかったので新鮮な経験でした。なかなか使わないセンサーをもっと活かしていきたいと思いました。また、聞こえない人が大半を占めて、手話が公用語になっている場は、私にとって初めてでした。私は手話ができないので「どうコミュニケーションしたらいいか…?!」と勝手にじたばたしている場面もありましたが、おかげさまで良い時間を過ごすことができました。石を回し持ったりしながら、同じ感覚を共有できるのは嬉しいことなんだなあと思いました。

盲ろう者がたくさんいる場に初めて身を置くということはとても貴重な経験でした。ご足労いただき、ともに秋を感じることができたこと、ありがとうございました。通訳がそれぞれの人に対して一斉に行われていること、その情報量に圧倒されたのが一番印象的なことです。「情報を一人ひとりに合った方法でもれなく伝えること」という社会においてまだまだ足りないことですが必要不可欠なことを目の当たりにしたと思います。また、葉っぱや実を触って感じる、ということは小学生ぶりのことで懐かしかったですが、みなさまと一緒に体験したことで新しい体験もできたと思います。

私は今回のネイチャーフィーリングに参加するまで、目と耳の不自由な方とどのようにコミュニケーションをとるのか全く知りませんでした。手をほんの少し触っているだけに見えるのに、通じ合っているのが信頼関係からなのか、長年の経験からなのかはわかりませんでしたがすごいと感じました。同じ班には、耳が聞こえづらいため、介助者の方が状況や先生のお話を耳元で大きく伝えながら参加されている方がいました。誰かの言い間違いや、遠くで誰かが移動していることなど、確かに自分の目で見えてはいるけれどさほど意識していないようなささいなことまで伝えていて、介助者が必要だと思う情報を選び取るのではなく、その場のことを全て伝えることが大切なんだなと感じました。クスノキの樟脳の香りやダニ部屋など、自分がおもしろいと感じたことを共有できたのも嬉しかったです。いい匂いというよりは顔をしかめている方もいましたが。このイベントを企画・運営してくださりありがとうございました。とても楽しい日になりました。